

背骨は何故ズレてしまうのか?という質問を多く受けます。聞かれるということは、根本的な理解が追いついていないということで、今回は背骨のズレについて取り上げてみます。
何のために背骨はあるのか?
まず、背骨は何のためにあるのか?というと、生物は、神経という電気コードを使用して、脳と全身の間を伝達します。この伝達で超重要な部分は、簡単に外傷で破壊すると困るので、脳は頭蓋骨、脊髄は背骨によって厳重に保護されているのです。

この神経の伝達スピードは、なんと最大で時速250キロという驚異的な速度で全身を駆け巡っています。
全ての情報処理のコアになっているのは脳です。ですから、脳が死んでしまっては、体が動かなくなるのです。
脳から出た電気コードは、脊髄という大きなコードの束となっており、脳と脊髄のことを超重要な神経なので「中枢神経」と呼んでいます。
前述した様に、これらの中枢神経は、一度損傷してしまうと、殆ど修復ができない超重要な組織です。
この脊髄を保護しているのが背骨。
ですから、背骨の最も重要な働きは、脳と全身を結ぶ中枢電気コードの束を守ことにあります。
保護だけじゃない
脊髄の周りを土管の様に一本の硬い管にすれば、シンプルな構造として脊髄の保護は可能でしょう。しかしそれだと問題が発生します。
そう、しゃがんだり、起き上がったり、歩いたり、ジャンプしたりといった「運動」ができなくなってしまうのです。
それを実現できるように工夫されたのが、この土管(背骨)に切れ目を入れてバラバラにすることです。これによって、ベビのおもちゃの様に、クネクネした連続構造が出来上がりました。

背骨には、「頚椎」「胸椎」「腰痛」の3つの分類があります。何故名前がそれぞれ違うのかというと、それぞれが運動の中で神経が引きちぎれない様に、関節によって運動方向と範囲に制限を持たせています。
この関節運動の習性が、頚椎と胸椎と腰痛で全く異なるので、わざわざ名前わけしているのです。
下記の写真は、本物の背骨(同一人物)です。関節面を丸で囲っていますが、ウサギの耳みたいになっています。頚椎と胸椎と腰椎とでは、それぞれのウサギの耳の角度が全く異なります。



この様に背骨は、「保護」だけではなく、保護しながら「体の運動範囲」を許容する機能を持っているのです。
背骨がズレるとはどこがどうなるのか?
よく、背骨がズレているという表現を聞きますが、じゃあこの背骨の何がどうズレるの?ってところが重要なところです。
長々と「保護」「運動」の機能があることを前記したのは、実はズレを知るためには重要なことであったから。
背骨には関節があるとご紹介しました。この関節を動かすために、実際には筋肉がたくさん背骨に付着しています。この筋肉の収縮によって背骨が関節運動を行うわけです。
例えば背骨の左にある筋肉が収縮したとします。すると右側は引き伸ばされ、背骨は左に傾きます。この筋肉の作用によって動く方向が関節によってガイドされる仕組みです。


さて、ここからが問題。
通常は力を抜けば、この場合、左側の筋肉の収縮はなくなり、元の位置に戻るはずです。
ところが、これが元の位置に戻らずに、力を抜いているのにも関わらず、力が抜けない状態になるのが背骨のズレ。
つまり、関節が元の位置に戻らずに固定化されてしまうのが背骨のずれの正体なんです。
なんでそんなことが起こるの?と疑問に思うでしょ?そうなんです、この不可思議な現象の解明が非常に困難だったのです。
まぁ、ひとまずこの「戻らない現象」を、何だかよくわからないのでここでは「P」と呼ぶことにします。
Pは当初、単に筋肉の凝りであるという考え方でした。今も実際にそういう意見の人はたくさんいると思います。
しかしです、筋肉の凝りであったなら、この現象の説明がつかないのです。
Pは結果的に発生している
筋肉の凝りは、頭痛や、肩こり、腰痛をもたらす厄介者です。これを一般的にネットで調べると、筋肉組織の内部に溜まった、疲労物質から発生すると説明されています。
が、しかしです。背骨を動かす筋肉は全く別物。
というのは、このPが発生している部分で起こる異常現象はこれだけではないからです。
大きく分けて3つの異常現象が発生します
温度の異常
人間の体は、基本的に左右で同じ部位は同じ温度になる様に体温コントロールされています。ですから、右手と左手の温度は常に平均的に同一です。
ところが、このPの発生している部位の、背骨の右と左では、温度が左右で全く異なります。つまり、体温コントロール機能が働かなくなっているという「かなりの異常事態」なのです。
よって、この現象を逆手にとって、Pの部位を発見するためには、この左右の温度異常を見つけることによって、客観的に知ることができます。
私の持つ特許はこの温度差を分析する装置の特許です
動きの異常
Pの発生部位の筋肉は、力が全く抜けない状態になっているため、まるで関節を接着剤で固めたかの様に固定化します。
興味深いことに、固定化されていない方向へはむしろ自由に動きます。しかしながら、固定化しているところを開こうとする動きには強固に抵抗が見られます。
ま、固まっているから当たり前だろと思われがちですが、開く方ではなく、閉じる方向にはむしろ動くのです。


真っ直ぐに立っているつもりでも、背骨は姿勢を構築していますから、このPの発生によって、片方の肩が下がってしまったり、足の長さが左右で違ってしまったりするわけです。
交感神経の異常
Pが発生している部位の最も異常な現象がこの「交感神経の異常」なのです。
まず、交感神経とはなんだ?という所ですが、体の主に内臓を自動的(無意識)に活動させている神経です。厳密には、目の瞳孔を広げる働きも交感神経です。
*アニメなどで驚いた時や興奮した時に目が大きくなるのは、知って書いているのか不明ですが、実に特徴をよく捉えた描写です
からだ及び精神が興奮すると優位になるのが交換神経で、忙しくしている時や、怒った時、運動した時に優位になります。
交感神経は背骨に沿って走行しており、このPを発生させている筋肉と内臓の神経は連絡を持っています。

このことから、Pが発生している背骨の部分と、内臓の部分は共存関係にあるため、背骨のPと病気との関連性は昔から研究が多くされています。
交感神経の異常は内臓の動きを乱します。病気の予備軍にもなりかねません
背骨のズレの正体
何となく背骨のズレと聞くと、単に曲がっているという言葉の印象だけだと思われる方が殆どだと思います。
正しくは「背骨の関節が片一方へ固定化する」ことが背骨のズレの正体です。
このPの発生した背骨を、カイロプラクティックの分野では昔から『Subluxation(サブラクセーション)』と呼んでいます。日本語に直訳すると「亜脱臼」という意味合いになるのですが、昨今、医学的に誤解が生じるという意見から、他の呼び名にしている人もいます。
まとめ
背骨のズレは、周囲の筋肉の緊張や疲労であると思われてきました。しかし、実際には、P(サブラクセーション)は、多く神経異常を伴うことから、単なる筋肉の疲労ではないことがわかります。
定義として、発生要因は以下の3点と言われています。
1、物理的ストレス(事故や怪我、反復的な負荷)
2、心理的ストレス(過度な緊張や悩みなど)
3、化学的ストレス(添加物、汚染物質、薬、偏った栄養摂取)
カイロプラクティックの分野では、サブラクセーションを「神経伝達障害」としています。
