最も急を要すのは、外傷による骨折の場合や、内臓、血管系の疾患がある場合です。実は、腹部の大きな血管に動脈瘤がある人など、急性腰痛として前兆を出す人がいます
外傷の場合、たいていはその時点で痛みが発生する事が殆どですから、気が付くことが多いものです。しかし、血管系については年齢等でリスクで推測するしかありません。医学的な検査が重要になりますが、どちらも急性であり、痛みの発生時期は比較的分かりやすいものです。
また、腰痛は、その名の通り腰の部分の痛みですが、腰の部分の背骨(腰椎と呼ぶ)の間からは、脊髄から分岐した神経が通過しています。上部の腰椎から出た神経は、太腿の前面側を走行し、下部の腰椎から出た神経は後面側に走行します。このため、腰の部分で神経に触れたり、圧迫が加わると、腰よりも下肢に痛みや知覚異常、運動異常が出ることがあります。
知覚異常というと、たいそうな表現に聞こえますが、お風呂やスリッパなど、知覚異常がある部位は感覚が鈍くなっているので、異変として早い段階から気が付きます。
一方で、運動異常の場合、「力が入りにくい」という現象が起こります。知覚異常よりは重度にならなければ気が付きにくいですが、足のつま先を挙げる動作は比較的初期段階から異変を感じます。
腰の部分での神経圧迫が酷くなると、足の筋肉が痩せてきます。最も重度になると、排尿障害(おしっこができない)が起こる場合もありますので、軽い痺れでも酷くならない内に対応が必要です。この場合、整形外科などで、精密な画像診断を受けられ、医師の診断と指示を受けることが重要です。